筆者は新築時にLIXILの建て得を検討した経験があります。「太陽光発電が実質0円」という謳い文句に魅力を感じつつも、10年間の売電収入を手放す仕組みに疑問を持ちました。その調査結果をもとに、建て得の全5プランを徹底解説します。

「建て得で太陽光が実質0円」は本当なのか?結論から言うと、建て得バリュー(9kW以上搭載)なら太陽光設備費は0円ですが、15年間の余剰売電収入(約100〜150万円相当)をLTSPに提供する仕組みのため、”完全にタダ”ではありません。自家消費による電気代節約(年間5〜8万円)は得られるので、住宅建築費を抑えたい方には有力な選択肢です。ただし、自費購入して売電収入を得た方がトータルでは得になるケースが多い点は押さえておきましょう。この記事では、建て得の全5プラン・利用条件・口コミ・購入との比較シミュレーションまで徹底解説します。

住宅の屋根に設置された太陽光パネル
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Contents
  1. LIXIL建て得とは?基本情報
  2. 建て得の仕組み|なぜ太陽光が実質0円になるのか
  3. 建て得の全5プラン【2026年最新】
  4. 建て得の利用条件
  5. 建て得のメリット4つ
  6. 建て得のデメリット5つ【要注意】
  7. 【シミュレーション】建て得バリューと自費購入の比較
  8. 建て得はこんな人におすすめ/おすすめでない人
  9. 建て得を利用する際の注意点3つ
  10. よくある質問
  11. まとめ:建て得は「初期費用を抑えたい新築オーナー」の有力な選択肢

LIXIL建て得とは?基本情報

建て得は、LIXIL TEPCO スマートパートナーズ(LTSP)が提供するサービスで、LIXIL製品を一定以上採用することを条件に、太陽光発電システムを割引価格(最大0円)で設置できる仕組みです。その代わり、15年間の余剰売電収入はLTSPに帰属します。

項目内容
運営会社LIXIL TEPCO スマートパートナーズ(LTSP)
サービス内容太陽光発電システムの割引〜実質0円設置
対象新築住宅(建て得リフォームは既築も対応)
契約期間15年
条件LIXIL製品の採用+太陽光の搭載容量基準を満たすこと
太陽光パネルカナディアンソーラー製
売電収入(15年間)LTSPに帰属(余剰分のみ)
16年目以降設備が無償譲渡、売電収入も自分のもの
月額料金なし(解約しない限り月々の支払い不要)

太陽光発電の設置にかかる一般的な費用を知りたい方は「太陽光発電の設置費用はいくら?容量別相場・内訳・投資回収を完全ガイド」も参考にしてください。

建て得の仕組み|なぜ太陽光が実質0円になるのか

建て得が実質0円を実現できる仕組みは、15年間の余剰売電収入をLTSPに提供することにあります。太陽光パネルで発電した電力のうち、自家消費した分はそのまま電気代の節約になりますが、余った電力の売電収入は15年間すべてLTSPのものになります。

LTSPはこの売電収入で太陽光発電システムの設置費用を回収するため、利用者側は初期費用を大幅に抑えられるという仕組みです。契約は信販会社を通じたローン契約の形をとりますが、解約しない限り月々の支払いは発生しません。

重要なポイントとして、LTSPに提供するのは「余剰売電収入」のみです。昼間に太陽光で発電した電力を自宅で消費する分は、そのまま電気代の節約になります。電気料金の高騰が続く昨今、自家消費による節電メリットは年々大きくなっています。

建て得の全5プラン【2026年最新】

建て得には屋根に搭載できるパネルの量や暮らし方に合わせて5つのプランが用意されています。

プラン名太陽光搭載量設備費(税込)蓄電池対象
建て得バリュー9.0kW以上0円なし新築
建て得ライフ7.0kW以上33万円なし新築
建て得スマイル4.5kW以上49.5万円なし新築
建て得でんちシリーズ5.0kW以上〜165〜220万円あり(9.6kWh/12.8kWh)新築
建て得リフォーム4.5kW以上49.5万円なし既築

完全に0円になるのは「建て得バリュー」のみで、9kW以上の太陽光を屋根に搭載できることが条件です。搭載量が少ない場合は33〜49.5万円の負担が発生しますが、それでも通常の購入価格(100〜200万円)と比べると大幅にお得です。

建て得でんちシリーズ:蓄電池付きプラン

建て得でんちシリーズは太陽光発電と蓄電池をセットで導入できるプランです。蓄電池の容量は9.6kWhと12.8kWhの2種類から選べます。費用は165〜220万円ですが、蓄電池を単体で購入すると100〜200万円かかることを考えると、太陽光+蓄電池のセット価格としては割安です。

蓄電池の価格相場について詳しく知りたい方は「蓄電池の価格相場は?容量別・メーカー別の費用と補助金適用後の実質負担額」をご覧ください。

建て得リフォーム:既築住宅でも利用可能

従来の建て得は新築限定でしたが、「建て得リフォーム」の登場により既築住宅でも利用可能になりました。4.5kW以上の太陽光搭載で49.5万円の負担で導入でき、15年間の余剰売電収入をLTSPに提供する仕組みは同じです。

建て得の利用条件

  • 各プランで定められた太陽光搭載容量基準を満たすこと
  • LIXIL製の「サッシ」「玄関ドア」を採用すること(新築プランの場合)
  • LTSPと提携している建築会社・工務店で建てること
  • LTSPが指定する電気料金プランに加入すること
  • 信販会社とのローン契約を締結すること(15年間)

建て得のメリット4つ

メリット1:太陽光発電の初期費用を大幅に削減できる

建て得最大のメリットは、太陽光発電システムの費用を大幅に削減できることです。通常、住宅用太陽光発電の設置には100〜200万円程度の費用がかかりますが、建て得バリューなら0円、その他のプランでも33〜49.5万円で導入できます。住宅建築費用を少しでも抑えたい方にとって非常に魅力的です。

メリット2:自家消費で電気代を大幅に削減

余剰売電収入はLTSPに帰属しますが、自家消費分は自分の電気代節約になります。一般的な家庭では年間5〜8万円の電気代削減が見込め、15年間で75〜120万円のメリットになります。電気料金が上昇傾向にある中、自家消費による節電効果は年々大きくなっています。

太陽光発電による電気代削減の仕組みについては「太陽光発電のメリット・デメリットを徹底比較」で詳しく解説しています。

メリット3:ZEH補助金が利用可能

建て得はZEH基準の住宅で利用されることが多く、ZEH補助金(約55〜100万円)の申請が可能です。太陽光発電の費用を抑えた上にZEH補助金も受け取れるため、住宅建築のトータルコストを大きく下げることができます。

メリット4:16年目以降は売電収入も自分のもの

15年間の契約期間が満了すると、太陽光発電システムは無償で譲渡され、以降の売電収入はすべて自分のものになります。太陽光パネルの寿命は25〜30年とされているため、16年目以降の10〜15年間は初期費用なし(またはわずかな負担)で手に入れた太陽光パネルで発電し、売電収入も得られます。

太陽光発電の費用計算シミュレーション

建て得のデメリット5つ【要注意】

デメリット1:15年間の売電収入がすべてLTSPのもの

建て得の最大のデメリットは、15年間の余剰売電収入がすべてLTSPに帰属することです。通常、太陽光発電を自費で設置した場合、FIT制度による売電収入を10年間受け取ることができます。6kWのシステムであれば10年間で約80〜100万円の売電収入が見込めるため、この収入を放棄するのは実質的に太陽光パネルの代金を支払っているのと同じです。

売電価格の仕組みについては「太陽光発電の売電価格はいくら?FIT制度の仕組みと売電vs自家消費の最適解」をご覧ください。

デメリット2:太陽光パネルのメーカーが選べない

建て得で設置できる太陽光パネルはカナディアンソーラー製に限定されています。カナディアンソーラーは世界的な大手メーカーで品質に問題はありませんが、パナソニックや東芝など他メーカーのパネルを使いたい場合は建て得を利用できません。

太陽光パネルの種類やメーカーごとの特徴を比較したい方は「太陽光パネルの種類を徹底比較|単結晶・N型・ペロブスカイトの違いと最適な選び方」が参考になります。

デメリット3:指定の電気料金プランへの加入が必要

建て得を利用するにはLTSPが指定する電気料金プランに加入する必要があります。このプランの電気料金が他社と比較して割高な場合、電気代の面でデメリットになる可能性があります。契約前に料金プランの内容を確認し、現在の電気代と比較しておきましょう。

デメリット4:途中解約には高額な清算金が発生

15年間の契約期間中に解約する場合は、清算金(残りの売電収入見込額に相当する金額)が発生します。住み替えや売却の際は大きな負担になるため、15年以上住み続ける予定がある方向けのサービスです。

特に注意すべき点として、名義人が亡くなった場合も契約は相続人に自動的に引き継がれず、清算金の支払いが必要になるケースがあると報告されています。契約前に万が一のケースについても確認しておきましょう。

デメリット5:LIXIL製品の採用と建築会社の制限

建て得を利用するにはLIXIL製のサッシ・玄関ドアの採用が必要です。さらに、LTSPと提携している建築会社・工務店でなければ取り扱いできません。お気に入りの建築会社が建て得に対応していない場合は利用できないため、建築会社選びの段階で確認が必要です。

【シミュレーション】建て得バリューと自費購入の比較

太陽光発電9kWを新築住宅に導入する場合を例に、建て得バリューと自費購入を比較してみましょう。

比較項目建て得バリュー(15年契約)自費購入
太陽光の初期費用0円約180〜270万円
LIXIL製品の制約ありなし
売電収入(15年間)LTSPに帰属自分のもの(10年間FIT+5年間市場価格)
売電収入の見込額(15年間)0円約120〜180万円
自家消費の電気代節約(15年間)約75〜120万円約75〜120万円
補助金ZEH補助金のみZEH+太陽光+蓄電池の補助金すべて
購入の補助金適用後の実質負担約50〜130万円
15年間のトータルメリット電気代節約75〜120万円売電収入120〜180万円+電気代節約75〜120万円
16年目以降設備無償譲渡+売電開始引き続き自分の所有物

自費購入の場合、補助金を活用すれば実質50〜130万円で導入でき、15年間の売電収入と電気代節約を合わせると200〜300万円のメリットが得られます。建て得バリューは初期費用0円ですが、得られるのは電気代節約のみ。15年間のトータルでは自費購入の方が100〜180万円ほどお得になる計算です。

ただし、建て得は初期の持ち出しが0円という点が最大の強みです。住宅ローンの借入額を減らせるため、月々の返済負担が軽くなります。「初期費用を最小限にしたい」「住宅ローンを増やしたくない」という方には合理的な選択です。

太陽光発電の補助金を活用した場合のシミュレーションは「太陽光発電の補助金一覧|国・自治体の最新金額と申請のコツを完全ガイド」で詳しく解説しています。

建て得はこんな人におすすめ/おすすめでない人

おすすめな人

  • 新築住宅の建築費用をできるだけ抑えたい方
  • 住宅ローンの借入額を減らしたい方
  • LIXIL製品のサッシやドアを採用する予定がある方
  • ZEH住宅を建てる予定の方
  • 15年以上同じ家に住み続ける予定の方
  • 売電収入よりも自家消費による電気代節約を重視する方

おすすめでない人

  • 売電収入を自分で受け取りたい方
  • 太陽光パネルのメーカーや型番を自分で選びたい方
  • LIXIL以外のメーカーの窓やドアを使いたい方
  • 15年以内に引っ越し・住み替えの可能性がある方
  • お気に入りの建築会社が建て得に対応していない方

建て得を利用する際の注意点3つ

1. 蓄電池は「建て得でんち」以外は別途費用

建て得バリュー・ライフ・スマイルでは太陽光のみが対象で、蓄電池は別途購入する必要があります。蓄電池を同時に導入したい場合は、「建て得でんちシリーズ」を選ぶか、蓄電池だけ別途購入して補助金を活用する方法があります。

蓄電池の補助金については「蓄電池の補助金はいくらもらえる?国のDR補助金と自治体補助金を完全ガイド」で最新情報をまとめています。

2. 建築会社が建て得に対応しているか確認する

建て得はすべての建築会社・工務店で利用できるわけではありません。LTSPと提携している建築会社のみが取り扱えるため、建築会社選びの段階で建て得に対応しているかを確認しましょう。

3. 電気料金プランの比較を忘れずに

建て得を利用するとLTSPの電気料金プランに加入する必要があります。プランの料金が他社と比べて割高でないかを事前に確認しておきましょう。料金に差がある場合、15年間で数十万円の差になる可能性もあります。

新築住宅の建築イメージ

よくある質問

Q. 建て得は既築住宅(リフォーム)でも利用できますか?

A. はい、「建て得リフォーム」であれば既築住宅にも対応しています。太陽光4.5kW以上の搭載で49.5万円の負担で導入でき、15年間の余剰売電収入をLTSPに提供する仕組みは同じです。

Q. 15年間の自家消費分の電気はタダで使えますか?

A. はい、太陽光パネルで発電して自宅で消費した分の電気はそのまま電気代の節約になります。LTSPに提供するのは余剰売電収入のみです。

Q. 建て得と蓄電池は同時に導入できますか?

A. はい、「建て得でんちシリーズ」なら蓄電池(9.6kWhまたは12.8kWh)をセットで導入できます。それ以外のプランでも蓄電池は別途購入で同時導入が可能です。蓄電池を設置すれば自家消費率が上がり、さらに電気代を削減できます。

Q. 建て得を利用すると住宅ローンに影響はありますか?

A. 太陽光発電の費用が0〜49.5万円に抑えられるため、住宅ローンの借入額を減らすことができます。通常なら太陽光発電に100〜200万円かかるところを大幅に削減できるので、月々のローン返済額の軽減につながります。

Q. 途中解約するとどうなりますか?

A. 契約期間中に解約する場合は、残りの売電収入見込額に相当する清算金を一括で支払う必要があります。契約年数が多く残っているほど清算金は高額になるため、住み替えの予定がないか慎重に検討してから契約しましょう。

まとめ:建て得は「初期費用を抑えたい新築オーナー」の有力な選択肢

LIXILの建て得は、15年間の余剰売電収入をLTSPに提供する代わりに太陽光発電システムを大幅割引(最大0円)で設置できるサービスです。2026年現在、新築向け4プラン+リフォーム向け1プランの全5プランが用意されています。

15年間のトータルコストで見ると、自費購入して売電収入を得た方が100〜180万円ほどお得になるケースが多いです。しかし、初期費用を抑えて住宅ローンの借入額を減らしたい方にとっては合理的な選択肢です。

判断のポイントは以下の3つです。

  • 住宅建築費の初期コストを抑えることを最優先するか → はいなら建て得を検討
  • LIXIL製品のサッシ・ドアを採用する予定があるか → 他メーカー希望なら自費購入一択
  • 15年以上住み続ける予定があるか → なければ途中解約リスクあり

建て得と自費購入のどちらが良いかは個々の状況によって異なります。建築会社に両方のシミュレーションを出してもらい、数字で比較した上で判断しましょう。太陽光発電の導入で後悔しないためのチェックポイントは「太陽光発電で後悔した人の共通点7つ|失敗談から学ぶ必須チェックリスト」でも解説しています。

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