筆者は自宅の太陽光発電をFITで運用していますが、非FITという選択肢にも興味を持ち調査しました。FITとの違いやメリット・デメリットを実際の数字で比較した結果を解説します。

非FIT太陽光発電とは、FIT(固定価格買取制度)に登録せず、発電した電気を自家消費中心に活用する方式です。2026年度のFIT買取価格は初期4年間24円/kWh・5〜10年目8.3円/kWhの二段階制ですが、一般家庭の電気料金は30〜35円/kWh。売電するより自分で使う方がお得な時代になりました。

特に蓄電池と組み合わせて自家消費率を80〜90%まで高めれば、電気代を大幅に削減でき、10年以内の投資回収も十分可能です。この記事では、非FIT太陽光発電の仕組みやFITとの違い、メリット・デメリット、そして2026年以降に非FITを選ぶべきケースまで徹底解説します。太陽光発電の売電価格の推移もあわせてチェックしてみてください。

太陽光発電のソーラーフィールド
太陽光・蓄電池の無料一括見積もり
Contents
  1. 非FIT太陽光発電とは?基本の仕組みを解説
  2. 非FIT太陽光発電のメリット5選
  3. 非FIT太陽光発電のデメリット・注意点
  4. 非FIT太陽光発電が向いている人・向いていない人
  5. 非FIT太陽光発電の導入方法と選択肢
  6. 2026年以降、非FIT太陽光発電はお得なのか?
  7. 非FIT太陽光発電で失敗しないためのポイント
  8. まとめ:非FIT太陽光発電は「自家消費時代」の賢い選択
  9. 非FIT太陽光発電 メリット・デメリット早見表
  10. よくある質問(FAQ)

非FIT太陽光発電とは?基本の仕組みを解説

非FIT太陽光発電とは、国が定めたFIT(固定価格買取制度)に登録せず、太陽光で発電した電気を自家消費したり、自由市場で売電したりする方式です。

FIT制度では、発電した電気を一定期間(住宅用10年・事業用20年)にわたって固定価格で電力会社に売ることができます。一方、非FITでは買取価格が保証されないため、自分で電気の使い道を決める必要があります。

FIT制度のおさらい

FIT(Feed-in Tariff)は、再生可能エネルギーで発電した電気を電力会社が一定価格で買い取ることを国が保証する制度です。2012年の開始当初は住宅用で42円/kWhと高額でしたが、年々下落を続けています。

2026年度からは「初期投資支援スキーム」が導入され、最初の4年間は24円/kWh、5〜10年目は8.3円/kWhという二段階制に変更されました。10年間の平均売電価格は約14.6円/kWhで、初期の投資回収を早める狙いがあります。

非FITとFIPの違い

2022年4月からはFIP(フィードインプレミアム)制度もスタートしました。FIPは市場価格に一定のプレミアム(上乗せ額)を加えた金額で売電できる仕組みで、主に50kW以上の事業用太陽光が対象です。

非FITはFIT・FIPどちらにも登録しない方式を指し、完全に自由な形で電力を活用します。住宅用の太陽光発電では、FIPの対象にならないため、「FITか非FITか」の二択になることが一般的です。太陽光発電のメリット・デメリットも理解した上で判断しましょう。

非FIT太陽光発電のメリット5選

非FITにはFITにはない独自のメリットがあります。特に自家消費を重視する方にとっては、大きな魅力があります。

①再エネ賦課金がかからない

FIT認定を受けた太陽光の電気を電力会社から買うと、電気料金に「再エネ賦課金」が上乗せされます。2026年度の再エネ賦課金は3.82円/kWhで、一般家庭で年間約1万6,000〜1万8,000円の負担になっています。

非FIT太陽光で発電した電気を自家消費すれば、この再エネ賦課金を含めた電気代をまるごと節約できます。

②電気料金の値上がりに強い

電気料金は年々上昇傾向にあり、2024〜2026年にかけても複数回の値上げが実施されました。非FIT太陽光で自家消費を最大化すれば、電力会社から購入する電気量を大幅に減らせます。

電気代が上がれば上がるほど、自家消費の経済的メリットは大きくなります。将来の電気料金高騰への備えとしても有効です。

③設置コストが年々下がっている

太陽光パネルの価格は年々低下しており、2026年現在では1kWあたり20〜25万円程度で設置できるケースも増えています。太陽光発電の設置費用が下がっているため、FIT買取価格が低くても自家消費メインなら十分に元が取れる計算になります。

④環境価値(非化石証書)を活用できる

非FIT太陽光で発電した電気には「環境価値」が付与されます。この環境価値は「非化石証書」として取引でき、企業のCO2削減目標の達成やRE100(再エネ100%)への貢献に活用できます。

法人の場合、非化石証書の売却による追加収入も見込めるため、自家消費による電気代削減と合わせてダブルの経済メリットが得られます。

⑤FIT制度の制約を受けない自由な運用

FIT認定を受けると、設備の変更や増設に制限がかかる場合があります。非FITなら、蓄電池の追加やパネルの増設、PPAモデルへの切り替えなど、柔軟に設備構成を変更できます。

また、FIT期間終了後の「卒FIT」問題に悩む必要もなく、長期的に安定した電力活用が可能です。

太陽光エネルギーの活用イメージ

非FIT太陽光発電のデメリット・注意点

メリットが多い非FITですが、知っておくべきデメリットや注意点もあります。導入前にしっかり確認しましょう。

①売電収入が不安定

FITでは固定価格で10年間(事業用20年間)買い取ってもらえますが、非FITでは市場価格に連動するため、売電収入が変動します。電力市場の価格が下がれば、想定より収入が少なくなる可能性があります。

そのため、非FITでは売電よりも自家消費をメインに考えることが重要です。余剰電力の売電はあくまで「おまけ」と捉えましょう。

②自家消費できないと経済性が下がる

非FITの最大のメリットは自家消費による電気代削減ですが、日中に家にいない共働き世帯などでは、発電した電気を十分に使いきれない場合があります。

自家消費率を高めるには、蓄電池の併用やエコキュートの昼間運転、EV(電気自動車)への充電など、電気の使い方を工夫する必要があります。蓄電池の価格相場も下がってきているので、セット導入を検討する価値は十分あります。

③一部の補助金が使えない場合がある

太陽光発電の補助金の中には、FIT認定を前提としているものがあります。非FITの場合、一部の補助金が対象外になる可能性があるため、太陽光発電の補助金一覧を事前に確認しておきましょう。

ただし、近年は自家消費型太陽光を支援する補助金も増えており、非FITでも活用できる制度は多くあります。特に蓄電池とセットでの補助金は充実しています。

④売電先を自分で探す必要がある

FITでは電力会社が必ず買い取ってくれますが、非FITでは余剰電力の売電先を自分で見つける必要があります。新電力会社やアグリゲーターとの契約が必要になり、手続きが複雑になるケースもあります。

ただし住宅用の場合、多くの電力会社が非FIT余剰電力の買取サービスを提供しており、7〜10円/kWh程度で買い取ってもらえることが一般的です。

非FIT太陽光発電が向いている人・向いていない人

非FITが向いている人

  • 日中の電気使用量が多い家庭:在宅勤務やオール電化住宅など、昼間に電気を多く使う家庭は自家消費率が高くなり、非FITのメリットを最大化できます
  • 蓄電池やEVの導入を検討している人:蓄電池があれば日中の余剰電力を夜間に使えるため、自家消費率を80〜90%まで高められます
  • 電気料金の値上がりに備えたい人:自家消費で電力会社への依存度を減らせるため、将来の電気代上昇リスクを軽減できます
  • 環境貢献を重視する法人・事業者:非化石証書の活用やRE100対応など、環境価値を活かしたい企業に最適です

非FITが向いていない人

  • 安定した売電収入を求める人:毎月決まった売電収入がほしい場合は、FITの方が安心です
  • 日中ほとんど家にいない人:蓄電池なしでは発電した電気を有効活用しにくく、経済的メリットが小さくなります
  • 初期費用をできるだけ抑えたい人:自家消費率を高めるために蓄電池も必要になるケースが多く、初期投資が増える可能性があります
家族の暮らしと太陽光発電

非FIT太陽光発電の導入方法と選択肢

非FIT太陽光発電を導入するには、いくつかの方法があります。それぞれの特徴を理解して、自分に合った方法を選びましょう。

自己所有型(自費購入)

太陽光パネルと蓄電池を自費で購入・設置する最もシンプルな方法です。初期費用はかかりますが、発電した電気はすべて自分のものになり、長期的な経済メリットが最も大きくなります。

4kWシステムの場合、パネル+工事費で80〜100万円程度、蓄電池を加えると200〜300万円程度が目安です。蓄電池の補助金を活用すれば、さらにコストを抑えられます。

PPA(電力購入契約)モデル

PPA(Power Purchase Agreement)は、事業者が無料で太陽光パネルを設置し、発電した電気を割安な料金で購入する仕組みです。初期費用0円で太陽光発電を始められるのが最大のメリットです。

契約期間は通常10〜20年で、期間中はパネルの所有権がPPA事業者にあります。契約期間終了後は設備が無償譲渡されるケースが一般的です。

リース型

太陽光パネルをリース契約で導入する方法です。月額リース料を支払いながら、発電した電気はすべて自家消費できます。PPAと似ていますが、発電量に関係なく毎月定額の支払いになる点が異なります。

月額1〜2万円程度のリース料で、10〜15年の契約期間が一般的です。メンテナンスがリース料に含まれている場合も多く、管理の手間が少ないのがメリットです。

2026年以降、非FIT太陽光発電はお得なのか?

結論から言うと、2026年以降も非FIT(自家消費型)太陽光発電の方がお得になるケースが増えています。その理由を具体的に見ていきましょう。

FIT買取価格 vs 電気料金の比較

2026年度のFIT買取価格は、初期4年間が24円/kWh、5〜10年目が8.3円/kWhの二段階制です。10年間の平均では約14.6円/kWhとなります。

一方、一般家庭の電気料金は30〜35円/kWh程度です。特に5年目以降は8.3円で売電するより、30円以上の電気代を自家消費で節約する方が圧倒的にお得です。売電価格の推移と今後の見通しを見ても、自家消費重視の流れは加速しています。

2026年度のFITは二段階制になりましたが、10年平均では約14.6円/kWh。電気代30円/kWhを自家消費で節約する方が、約2倍お得です。

蓄電池の価格低下が追い風に

非FITの弱点だった「日中しか自家消費できない」という問題は、蓄電池の普及と価格低下で解消されつつあります。2026年現在、家庭用蓄電池は7kWhクラスで130〜180万円程度まで下がっており、補助金を使えばさらに手頃になります。

太陽光と蓄電池のセット導入で自家消費率を70〜90%まで高められれば、10年以内に初期費用を回収できるケースも珍しくありません。

卒FIT後は実質「非FIT」になる

FIT期間(住宅用10年)が終了すると、固定買取価格は大幅に下がり、7〜9円/kWh程度の「卒FIT買取価格」になります。これは事実上、非FITと同じ状況です。

卒FIT後に蓄電池を追加して自家消費に切り替える家庭も増えており、最初から非FITで自家消費型を選んでおくという戦略にも合理性があります。

非FIT太陽光発電で失敗しないためのポイント

自家消費率のシミュレーションを必ず行う

非FITで最も重要なのは、どれだけ発電した電気を自分で使えるか(自家消費率)です。導入前に、以下の情報をもとにシミュレーションを行いましょう。

  • 現在の月間電気使用量と時間帯別の使用パターン
  • 設置予定のパネル容量と予想発電量
  • 蓄電池の有無と容量
  • 将来的なEVやオール電化の予定

複数の業者から見積もりを取る

太陽光発電の価格は業者によって大きく異なります。同じ設備でも50〜100万円の差がつくことも珍しくないため、最低でも3社以上から見積もりを取ることをおすすめします。太陽光発電で後悔しないためにも、価格だけでなく施工実績・保証内容・アフターサービスも比較しましょう。

補助金・助成金を最大限活用する

非FITでも使える補助金は多くあります。国の補助金としてはDR補助金(蓄電池に最大60万円)、東京都の補助金は太陽光12万円/kW(3.6kW以下、上限36万円)+蓄電池10万円/kWh(上限120万円)と非常に手厚い支援があります。

補助金は予算がなくなり次第終了するものが多いため、早めの申請が重要です。2026年度の東京都は契約前の事前申込が必須になった点にも注意しましょう。

太陽光発電の設置工事

まとめ:非FIT太陽光発電は「自家消費時代」の賢い選択

非FIT太陽光発電は、FIT買取価格の実質的な低下と電気料金の上昇が進む今、自家消費を軸にした合理的な選択肢です。

特に以下の条件に当てはまる方は、非FITでの導入を検討する価値があります。

  • 日中の電力消費が多い(在宅勤務・オール電化)
  • 蓄電池やEVの導入も視野に入れている
  • 将来の電気代上昇に備えたい
  • FIT制度の制約を受けず自由に運用したい

大切なのは、自分の生活スタイルや電気の使い方に合った導入方法を選ぶことです。まずは複数の業者に見積もりを依頼し、自家消費率のシミュレーションを行ったうえで判断しましょう。

非FIT太陽光発電 メリット・デメリット早見表

メリットデメリット・注意点
再エネ賦課金がかからない売電収入が不安定
電気料金の値上がりに強い自家消費できないと経済性が下がる
設置コストが年々下がっている一部の補助金が使えない場合がある
環境価値(非化石証書)を活用できる売電先を自分で探す必要がある
FIT制度の制約を受けない自由な運用

よくある質問(FAQ)

Q. 非FIT太陽光とFITはどちらが得ですか?

自家消費率が高い家庭(50%以上)なら非FITの方がメリットが大きいです。日中不在が多く自家消費率が低い場合はFITで売電した方が得になるケースもあります。

Q. 非FIT太陽光でも補助金は使えますか?

はい、多くの自治体補助金はFIT/非FITに関わらず申請可能です。DR補助金(蓄電池)も非FITの太陽光と併用できます。

太陽光・蓄電池の無料一括見積もり