卒FIT後は売電と蓄電池どっちが得?1kWhの価値で徹底比較【2026】
「卒FIT後、このまま売電を続けるべき?それとも蓄電池を買って自家消費したほうが得?」——FIT(固定価格買取制度)の10年間が終わると、多くの家庭がこの分かれ道に立ちます。2026年現在、卒FIT後の売電単価は大手電力でおおむね7〜9円/kWh、新電力でも10円前後。FIT期間中の48円や24〜26円と比べると激減しており、「売って稼ぐ」時代は事実上終わりました。

本記事では、この判断を感覚ではなく「1kWhの価値」という1つのモノサシで徹底比較します。結論を先に言うと、判断のカギは次の通りです。
- 売電1kWh=約7〜9円の収入。自家消費1kWh=約31円の支出回避。同じ1kWhでも価値は約4倍違う
- つまり「余った電気を売る」より「買う電気を減らす」ほうが家計インパクトは大きい
- ただし蓄電池は工事費込みで1kWhあたり約15〜20万円。元が取れるかは別問題
- 余剰が少ない・夜の電気使用が少ない家庭は、無理に蓄電池を買わず売電継続+電力プラン見直しが正解のことも
「電気料金の目安は1kWhあたり31円」(全国家庭電気製品公正取引協議会の目安)。この数字を軸に、あなたの家にとっての正解を一緒に見つけていきましょう。なお売電単価・電気料金は各社・各プラン・地域で異なるため、最新の数値は必ず契約先で確認してください(本記事の単価はいずれも2026年時点の実勢の目安)。
そもそも卒FITとは?2026年の売電単価はいくら
卒FITとは、FIT(固定価格買取制度)による10年間(住宅用10kW未満の場合)の高額買取期間が終了することを指します。たとえば2016年に売電を始めた家庭は2026年に卒FITを迎えます。FIT期間中は1kWhあたり24〜48円といった高単価で買い取られていましたが、期間終了後は各電力会社が独自に設定する「卒FIT向け買取単価」に切り替わります。
2026年時点の卒FIT売電単価の目安
| 買取先 2026年の卒FIT売電単価の目安 特徴 | System.Object[] System.Object[] System.Object[] |
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注目すべきは一番下の行です。同じ1kWhでも、売れば7〜9円にしかならないのに、自家消費すれば31円分の電気を買わずに済む。この「価値の逆転」こそが、卒FIT後の判断のすべての出発点になります。
【本題】売電と自家消費「1kWhの価値」で徹底比較

ここが本記事の核心です。卒FIT後の「売電 vs 蓄電池で自家消費」は、突き詰めると1kWhの電気をどう使うのが一番得かという問題に集約されます。
1kWhあたりの損得を並べてみる
| 1kWhの使い道 得られる価値 FIT期間中(参考) | System.Object[] System.Object[] System.Object[] |
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FIT期間中は売電単価が高かったため「売っても自家消費しても大差なし」でした。しかし卒FIT後は売電が激減した結果、1kWhあたり20円以上も自家消費のほうが有利になります。これが「卒FITしたら自家消費へ」と言われる根拠です。
筆者の試算:年間の差はどれくらい?
筆者の家(我が家)は5kWの太陽光で、年間の余剰電力(売電に回していた分)が約2,500kWhありました。卒FIT後にこれをどう扱うかで、ざっくり次のような差が出ます。
| シナリオ 年間メリットの目安 計算根拠 | System.Object[] System.Object[] System.Object[] |
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蓄電池の元は取れる?設置費とメリットを冷静に計算

自家消費が有利でも、それは「夜や雨の日にも自家発電を使えれば」の話。昼に余った電気を夜に使うには蓄電池が要ります。問題は蓄電池の設置費を、自家消費で浮く電気代で回収できるかです。
2026年の蓄電池価格の目安
| 項目 2026年の目安 | System.Object[] System.Object[] System.Object[] System.Object[] |
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回収できるかの単純計算
仮に容量7kWh・設置費160万円の蓄電池を入れ、毎日5kWhを「売電8円」から「自家消費31円」へ振り替えられたとします。1kWhあたり約23円の改善 × 5kWh × 365日=年間およそ4.2万円の効果。160万円 ÷ 4.2万円 = 回収まで約38年という計算になります。
ここで効いてくるのが補助金です。国のDR補助金や自治体の補助金を使えば実質負担が大きく下がり、回収年数も現実的になります。詳しくは内部リンクの補助金記事で確認してください。
結局どっちが得?タイプ別の判断フロー
「1kWhの価値」と「蓄電池の回収」を踏まえると、答えは家庭のタイプで変わります。あなたがどれに当てはまるかチェックしてみてください。
蓄電池で自家消費が向いている家庭
- 昼間は留守がちで、夜にまとめて電気を使う(余剰が多く出る)
- オール電化やEVがあり、電気の使用量そのものが多い
- 停電・災害への備えを重視している
- 自治体や国の補助金が手厚い地域に住んでいる
売電継続(蓄電池を急がない)が向いている家庭
- 日中に在宅で、発電をその場で使い切れている(余剰が少ない)
- 電気使用量が少なく、回収に何十年もかかりそう
- まとまった初期費用を今は出したくない
- より高く買い取る新電力への乗り換えで十分メリットが出る
| 家庭のタイプ おすすめの選択 理由 | System.Object[] System.Object[] System.Object[] System.Object[] |
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蓄電池を選ぶなら|後悔しないためのチェックポイント
自家消費に振り切る決断をしたなら、蓄電池選びで失敗しないことが大切です。筆者が実際に見積もりを取って痛感したポイントをまとめます。
容量は「夜の使用量」に合わせる
大きすぎる蓄電池は使い切れず、設置費だけがかさみます。夜間〜早朝の電気使用量+余剰発電量を目安に、過不足のない容量を選びましょう。
ハイブリッド型か単機能型か
卒FITで太陽光のパワコンが寿命を迎える時期なら、パワコンを一体化できるハイブリッド型が効率的。まだパワコンが元気なら単機能型で安く済ませる選択もあります。
相見積もりと訪問販売への注意
蓄電池は同じ機種でも業者で価格が大きく違います。必ず2〜3社で相見積もりを。「今日契約すれば補助金が…」と急かす訪問販売には特に注意してください。
- 容量は夜の使用量に合わせて選ぶ(大きすぎ注意)
- パワコンの寿命とあわせてハイブリッド型を検討
- 必ず複数社で相見積もりを取る
- 補助金は申請期限・予算枠があるため早めに確認
- 訪問販売・即決を迫る業者は避ける
よくある質問(卒FIT・売電・蓄電池)
Q1. 卒FIT後、何もしないとどうなりますか?
A. 多くの大手電力では、申し込みをしなくても自動的に卒FIT向けの低い単価(約7〜9円/kWh)で買い取りが継続されます。ただし自動で一番得な状態になるわけではないので、買取先の見直しや自家消費の検討をおすすめします。
Q2. 売電単価7円は今後さらに下がりますか?
A. 卒FIT向け単価は各社が毎年見直しており、横ばい〜微減の傾向です。大きく上がる見込みは薄いため、「売って稼ぐ」前提の家計設計は見直すのが安全です。最新単価は各社で確認してください。
Q3. 蓄電池なしでも自家消費は増やせますか?
A. はい。昼間に洗濯・食洗機・お湯張りなどを回す「タイムシフト」だけでも自家消費は増やせます。蓄電池がなくても昼の家事を太陽が出ている時間に寄せるだけで売電を自家消費に変えられます。
Q4. 蓄電池の元は本当に取れないのですか?
A. 補助金なし・電気代節約だけで判断すると回収は長期になりがちです。ただし補助金の活用、電気料金の上昇、停電対策の価値まで含めると評価は変わります。経済性だけで切り捨てず、総合的に判断しましょう。
Q5. 新電力に乗り換えると売電単価は上がりますか?
A. 事業者によっては大手より高い単価(10〜12円台)やポイント還元を提示する場合があります。初期費用ゼロで単価アップできるため、蓄電池を急がない家庭はまず買取先の比較から始めると良いでしょう。
まとめ|卒FIT後は「売るより使う」が基本路線
卒FIT後の売電と蓄電池での自家消費、その損得を「1kWhの価値」で見てきました。最後に要点を整理します。
- 売電1kWh=約7〜9円、自家消費1kWh=約31円相当。自家消費の価値は売電の約4倍
- だから卒FIT後は「売るより使う(買電を減らす)」が基本路線
- ただし蓄電池の設置費(1kWh約15〜20万円)は、補助金なしだと回収が長期化しがち
- 余剰が多く夜に使う家庭は蓄電池、余剰が少ない家庭は売電継続+乗り換えが有利
- まずは1年間の売電量(余剰量)を確認し、相見積もりと補助金から動くのが失敗しないコツ